こんにちは!今日も引き続きグリップとラットプルダウンの関係についての論文を読んでいこうと思います。以下の論文では、前回の論文(https://labo12.com/archives/240)とは違い、前腕の向きも対象にした論文となっています。前腕の向きには回内と回外があります、分かりやすく言えば回内は順手・オーバーハンドとなり、回外は逆手・アンダーハンドにあたりますね。
Grip Width and Forearm Orientation Effects on Muscle Activity During the Lat Pull-Down
Lusk, Stephen J; Hale, Bruce D; Russell, Daniel MAuthor Information
Journal of Strength and Conditioning Research 24(7):p 1895-1900, July 2010. | DOI: 10.1519/JSC.0b013e3181ddb0ab https://journals.lww.com/nsca-jscr/fulltext/2010/07000/grip_width_and_forearm_orientation_effects_on.27.aspx
背景
2010年EMG研究に基づいて、順手のフロントラットプルダウンは広背筋を強くする手段として最適であると推奨されてきた。しかし、この発見がグリップ幅によるものなのか、前腕の向き(順手だから)なのかは不明瞭である。この研究はフロントラットプルダウンにおけるワイドの順手、ワイドの逆手、ナローの順手、ナローの逆手を比較することでこの問題を解決することを狙っている。
研究デザイン
トレーニング歴のある12人の健康的な男性が被験者とし、4タイプのグリップを用いて経験に基づいて決められた1RMの70%の負荷でラットプルダウンを行った。各グリップタイプで、5repを2セット行った。参加者は2秒で収縮させ2秒で伸張するリズムを保持するよう求められた。グリップ幅は各個人の持ち手の幅に合わせたワイドグリップと、肩峰間の距離をナローとして基準化された。
表面筋電図は広背筋、僧帽筋中部、上腕二頭筋にて測定し、最大等尺性収縮を利用してEMGの二乗平均平方根が基準化された。
結果・考察
各筋肉の反復測定を分散分析した結果は、順手では逆手よりも広背筋活動が大きいことを証明した。一方でグリップの違いは僧帽筋中部や上腕二頭筋には影響しないことがわかった。これらの発見から、広背筋を最大限に活性化するには、グリップ幅に関わらず順手のフロントラットプルダウンが推奨される。
ひとことコメント
グリップ幅の違いよりも、順手で持つということが広背筋活動を高めてくれると!
ふと思ったのは、手首の回外・回内がなんで広背筋活動に影響をあたえるのか?ということ。手首の回外・回内そのものが広背筋に影響を与えるのか、たとえば神経活動関連で…など。それともラットプルダウンのスタートポジションで手関節の回外・回内を行うと多少上腕骨の内外旋の角度がかわるから、それによって広背筋の長さが微妙に変化するのか…。いやいや、上腕骨の角度で広背筋活動が変化するなら、よっぽどグリップ幅が変わった方が…。
などと思っていましたら、ちゃんとその辺は考察部分にかいてありました!笑 読んでみて下さい。

どの論文にも関係するが、そろそろ筋電図の使い方や統計の理解を進めていかねば…。